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- 横断歩道を歩行中、交差点を右折してきた車両に衝突され頬骨骨折・上顎洞骨折等の傷害を負った
示談金額 1100万円 横断歩道を歩行中、交差点を右折してきた車両に衝突され頬骨骨折・上顎洞骨折等の傷害を負った
論点
- 後遺障害
- 異議申立て
- 逸失利益
事案の概要
女性(40代)が交通整理の行われていない交差点に設置された横断歩道を歩行中、安全確認不十分のまま右折進行してきた車両に衝突され、路上に転倒して、頬骨骨折・上顎洞骨折等の傷害を負ったケースです。
事故後、長期間の通院を余儀なくされ、仕事・家事に多大な影響が出ているにもかかわらず、加害者の加入する保険会社から十分な金額提示がないため、ご依頼を受けたケースです。
依頼を受けた後、刑事記録を取り付けた上、自賠責に異議申立てを行い、後遺障害12級が認定されて、無事、示談成立したものです。
ポイント
頬骨骨折の傷害を負って事故後に痛みが残っていたにもかかわらず、当初の自賠責の判断は、後遺障害非該当でした。
そこで、被害者と打ち合わせた上、まず刑事記録を取り付けて事故態様を明らかにしました。
そして複数の医療機関の診療録(カルテ)も取り寄せた上、診療経過を分析しました。その上で、当初の後遺障害診断書には被害者の頬骨骨折の内容・症状等についての記載が不十分であるため、再度の作成を依頼しました。
さらに裁判例を調査して、同種事案で後遺障害が認定された事例を指摘した上で、異議申立書を各資料・陳述書とともに提出しました。
自賠責は、当初「提出の診断書等からは症状の裏付けとなる客観的な医学的所見に乏しく、その他治療状況等も踏まえれば、将来において回復が困難と見込まれる障害とは捉えがたい」と判断していました。
これに対して、異議申立ての結果、自賠責は、新たに提出した後遺障害診断書の記載や診療録の記載を引用した上で、「三叉神経走行部付近に明らかな上顎洞骨折が認められ、受傷態様や前記診療録から伺われる症状の推移等を踏まえれば、他覚的に神経系統の障害が証明される」と判断しなおして、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として後遺障害12級13号を認定したものです。
雑感
後遺障害がつかなったこと、骨折の経過観察により通院日数が多いとはいえなかったことから、相手方保険会社の当初担当者の対応は、被害に寄り添ったものではありませんでした。その点に、被害者・ご家族が大きな不満を抱えておられました。
そこで打合せにより、弁護士と被害者との間で事故後の置かれた状況を共有して、診療録(カルテ)を分析することで後遺障害認定に至ったものです。
相手方保険会社も、新担当者は損害額でもかなり歩み寄りを見せ(67歳まで20年を超える労働能力喪失期間が認められました)、訴訟を回避して無事示談できた事案でした。