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- 頭部外傷後の神経系統の機能又は精神の障害として2級1号を認定され、70代女性の将来介護関連費用の総額として4100万円が認められた
示談金額 9500万円 頭部外傷後の神経系統の機能又は精神の障害として2級1号を認定され、70代女性の将来介護関連費用の総額として4100万円が認められた
論点
- 将来の介護費用
- 高次脳機能障害
- 後遺障害2級1号
事案の概要
依頼者(70代女性)が見通しの悪い丁字路を原付バイクで直進走行中、右折してきた相手方車両が接触して転倒して頭部を打撲した結果、上顎骨骨折、皮殻出血、びまん性軸索損傷等の傷害を負ったという事案です。
私が受任後、まず自賠責保険に対する被害者請求を行いました。そして、提出した診療録の画像上、被害者に明らかな脳損傷の所見が認められること、受傷当初から意識障害が継続していること、事故後から片麻痺・半身感覚障害があることから、頭部外傷後の神経系統の機能又は精神の障害として後遺障害2級1号に認定されました。
その上で、相手方保険会社と示談交渉を行い、最終的に9500万円にて示談に至ったものです。
ポイント
被害者は日常生活のほぼすべてにおいて介護を要する状況であり、退院後は介護施設を利用していました。ただし被害者が高齢であったこと、そして既往障害もあったことから、どこまで将来介護の関連費用が認められるかが、大きな争点になりました。
そこで、まずデイケア、デイサービス、ショトステイに実際にかかっている施設利用料を細かく算定した上、将来介護施設利用料として請求しました。
その上で、家族が職を辞めて自宅での介護も併せて行っていましたので将来の介護費用も請求しました。その際には、診療録(カルテ)や診断書をふまえて、具体的にどのような介護を行っているかについて、家族の動作・自宅内の導線・時間帯・家族の労力等を具体的に指摘していきました。
以上の立証を通じて、相手方保険会社が、将来の介護費用として3300万円、それとは別に介護関連費用として800万円を認定することになり、示談成立に至りました。
なお過失割合についても争いがありましたが、最終的には15%にて合意しました。
そのほか治療期間が長期化し、症状固定からも時間が経過していましたので、相手方保険会社と時効中断の書面のやりとりも行いました。
雑感
被害者に後遺した被害が極めて重大な事件でしたが、既往障害があり、また高齢であることから、損害額についてかなり開きがありました。
当初から訴訟提起も念頭に置きながら、細かい立証を続けました。
その結果、相手方保険会社としても数度に渡り、提示金額を上積みして最終的に合意に至ることができたものです。
訴訟もやむなしというところから粘り強く交渉した結果、示談に至り、ご家族に喜んで頂けた事案でした。